ヨーロッパ最古の総合大学のある、エミリア=ロマーニャ州の州都ボローニャをご存知でしょうか。
日本では ボロネーゼソース(ミートソース)が一番有名かもしれませんね。
このボローニャでは、毎年4月の上旬に世界各国からの出版社や児童玩具メーカー、デザイナーなどが集まるボローニャ・チルドレンズ・ブックフェア(リンク先はイタリア語または英語)が行われています。
以前訪ねてみた際には、メジャーデビューを夢見てカルトンバックを携えた、たくさんの若いアーティストたちを会場で見かけました。出展企業の方々にイラストレーションの飛び込み営業を行うのです。中には行列ができたりしているところもあり、プレゼンする方もされる方も、熱心に話をしていたのがとても印象的でした。
このブックフェアでは毎年、絵本原画の公募展も行われ、入選者の絵本が世界各国の言葉に翻訳されて出版されるなど、イラストレーターの登竜門としても世界的に有名な展示会のひとつとなっています。記念すべき50回目となった2016年は、世界61か国から3,191点の応募があり、日本からの10人(組)を含む18か国77人(組)が入選したとのこと。
日本の割合がすごいですね。びっくりです。板橋区立美術館では、今年も全入選作品を展示しています。
また、会期中には絵本に関するさまざまなイベントも予定しているとのことです。
ボローニャ国際絵本原画展とは…
イタリアの古都ボローニャでは、毎春、児童書専門の見本市「ボローニャ・チルドレンズ・ブックフェア」が開催されます。そこは、版権を売買するだけでなく、児童書の新たな企画を生み出す場として、世界中から多くの人が集まります。
1967年、このブックフェアにともなうイベントとして、子どもの本のイラストレーションを紹介する「ボローニャ国際絵本原画展」は始まりました。子どもの本のために描かれた作品(5枚一組)であれば誰でも応募できることから、新人イラストレーターの登竜門としても知られ、本展をきっかけに多くの絵本作家が生まれています。
本展の魅力は、実験的な試みを積極的に受け入れ、多様な絵本表現が見られることです。世界中から集まる多数の応募作品は、有名作家の作品も新人作家の作品も同じテーブルに並べられ審査されます。国籍の異なる5人の審査員は、毎年入れ替わります。
特別展示:ボローニャ展50年の歩み
1967年、ボローニャ・チルドレンズ・ブックフェアの会場で、子どもの本のイラストレーションを紹介する展覧会が初めて開催されました。この展覧会は翌年以降も毎年続けられ、1970年代にはコンペ形式となり、現在では国際的な絵本原画コンクールとして世界的に注目を集めるまでに成長しました。1978年からは、「イタリア・ボローニャ国際絵本原画展」として日本巡回が始まり、日本からの入選者も増えてゆきました。板橋区立美術館では1981年から始まって今年で36回目となり、毎夏の会期中にはイベントなどを通してイラストレーターたちが集う場となっています。
今年、ボローニャ展がイタリアでの開催50回目を迎えたことを記念して、日本巡回展においても特集展示を予定しています。世界情勢や生活環境が大きく変化したこの半世紀の間に、多くのイラストレーターを育て、世界の絵本にインパクトを与え続けてきたボローニャ展の歴史をふりかえります。
関連イベント
会期中に絵本に関するイベントを多数開催します。
くわしくはこちら夏はぐるーっと絵本展めぐり
夏に絵本展を開催する他会場と共に入館料の相互割引を行います。
くわしくはこちらボローニャ展 関連企画
都内各地のギャラリー・画廊で入選者などによる関連展示が行われます。
くわしくはこちらボローニャ展 巡回情報
板橋区立美術館(東京)
2016年7月2 日~8 月14 日西宮市大谷記念美術館(兵庫県)
2016年8 月20 日~9 月25 日四日市市立博物館(三重県)
2016年10 月1 日~10 月30 日石川県七尾美術館
2016年11 月3 日~12 月11 日長島美術館(鹿児島県)
2016年12 月17 日~2017 年1 月22 日
2016 イタリア・ボローニャ国際絵本原画展