イタリア現地時間の8月24日午前3時36分頃、イタリア中部のラツィオ州リエーティ県を震源とする、マグニチュード6.2の地震が発生しました。
webサイト Centro Meteo Italiano によれば、27日の午前9時39分にも Norcia や Monti della Laga で M3.3 ないし 3.4 の地震を記録したとのことで、現在でも関連する地震が断続して記録されているとのことです。現在24時間体制でサイトが更新されていますが、この記事を書いている中でも 最後の地震でまた M4.0 の地震が起きたと報告されています。この記事を書いている時点で 284名が死亡し、388名の負傷、そして 2500名が名が家を失ったと報告されていますが、地震が未だ継続していることから、予断を許さない状況が続いています。
今回の地震では7年前に被害のあった ラクイラ地震よりもかなり広範囲で、外務省ページでも報告されている通り、ラツィオ州リエーティ県,ウンブリア州テルニ県,マルケ州アスコリ・ピチェーノ県、フェルモ県、アブルッツォ州テーラモ県 という、イタリア半島を縦に走るアペニン山脈の西側の東西方向に20km、南北方向に40km の範囲にわたって震源地が確認されています。
今回の地震で最も被害の大きかった南部の町のひとつに、Amatrice; アマトリーチェというところがあります。
ラッツィオ料理の一つ、 L’Amatriciana; アマトリチャーナ の発祥と言われる町です。
Amatriciana は Guanciale; グアンチャーレ という豚頬肉の塩漬けと、Pecorino Romano; ペコリーノ・ロマーノ という羊乳のローマ地方のチーズ、Pomodoro; トマト を使ったパスタです。アマトリチャーナを食べて支援しようという運動が、ローマから始まり、日本でも新宿御苑近くのローマ料理のお店 il Batticuore(9月15日〜30日) ではじまるなど、被災地支援に向けた取り組みが世界中に広がっています。
被害の拡大してしまっている背景には、古い家屋が密集した建築構造や町並みの景観などから耐震化の難しさが指摘されています。
また例えば中世と現代では暮らしに関わる様々な道具やそれらの質量が大きく異なり、建築構造が耐えきれなくなっていたことも考えられるでしょうか。イタリアでも日本同様に1980年頃を境として建築基準法がかわっているため、比較的新しい住居では倒壊していないものも見受けられます。
1639年や1703年にも、同じエリアで M6.0 クラスか M7 に近い地震がリエーティ県で記録されているといいますから、子供たちの集まる学校を含め、こうした古い町並みの残る地域では観光客の保護のためにも、より真剣でスピード感のある耐震化対策が求められていると言えるのではないでしょうか。
こちらの写真は Spello; スペッロ、震源域よりは10km ほど西側のところにある小さな町です。
震源域の地域は、有名な Assisi; アッシジ もそうですが、丘陵地の起伏に沿うように小さな町が点在しているエリアです。
アマトリーチェも同じように丘陵の上に築かれた町。
一刻も早い復旧と安心して観光のできる町がもどることを願っております。
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